暇人の暇人の為の暇つぶしな小説

暇つぶしにもならない小説かもしれませんが見てくれるとうれしいです

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第二章

入学式の翌日、俺はまた今日から始まるであろう授業地獄のことを考えながら、昨日とは随分違う重たーい足取りで登校していると
「よ、たっつん!」
背後からの呼びかけに振り向くと小学校時代からの友人三谷がいた
あぁ、そういえば俺の自己紹介がまだだったな。俺の名前は飛田達也だ。
「たっつん」ってのは小学んときにこの三谷に付けられたあだ名だ。たまに「たっつ」とか、最近では「たん」とまで呼ばれるようになっている。
どんなニックネームで呼んでくれても構わないが、このまま行くと消滅してしまいそうで不安だ。
「あーあ、お前ついてるよなー」
何が?
「とぼけんなよ、中条のお隣さん」
その発言で俺の一寸先は闇だった心に生気が蘇った
そうだそうだ、授業は確かに地獄だが?俺の隣にはwonderfulbeautyがいるではないか
解けない問題があったときは共同して答えを見出し、知らないうちに気持ちが一つとなり、いつの間にか付き合っているというケースは良くあることだ
問題も解け、お近づきにもなれる。一石二鳥とはまさにこのことだ
俺は少しニヤケタ表情になっていたのか鼻を刺すように
「フン、まぁ来週までのことだけどな」
と、三谷が言った
「なんでだよ」
「ったく、お前少しは担任の話に耳を傾けるくらいできんのか?今週は委員とか代表を決めて。来週の月曜には席替えだよ」
そうなのか。しかし、三谷が聞いていて俺が聞いていないとはちと不覚だぜっ。
だが確かに、1週間で彼女の心をわしづかみすることなど、25時間テレビ放送を同じ番組が1週間に3回行うくらい無謀なことだ
深く溜息を付く俺を、哀れんでいるのか、貶しているのか分からないような顔つきで「そんな気ぃ落とすなってっ!」と、慰める素振りもないような口調で三谷は言った。
無論、無謀なのは承知の上さ、だが、少しくらい夢見たっていいだろう?
再び俺は溜息を付き、まるで標高1500mの山道を登る60代のおっさんのような重たーい足取りで学校へ向かった。

本鈴5分前に教室に入った俺はすぐさま席に目をやり、隣がまだ来ていないことを確認した
『今日は休みかな?』
ここまでは俺がいつも思っている「平凡」な日常だった。
あぁ、ここまでは…な。

1時限目、2時限目、3時限目と授業中会話できるやつがいないという、孤独としか言いようが無いこの永遠にも感じる地獄を
よーやっと切り抜けて今は昼休みだ。
俺は三谷と小田というもう一人の小学からの友人と飯を食っていた。
「はぁ、たっつよぉ。お前はつくづく可愛そうなやつだなぁ。いくら隣が可愛くてもよぉ。来ないと意味ないもんなぁ」
同情するならその哀れんでるか、貶してんのか分からん表情をやめろ。
「たっつ、三谷。飯食ったら図書室いかない?」
と、小田。まぁ暇だしいいか。
「俺は遠慮しとくぜ、調べておきたいことがある!」
調べたいことがあるなら図書室でいいだろうが、と突っ込みを入れようか迷っていると。
三谷が異様ににやけていた。
「……女子調べか。」
と俺が溜息交じりの小声で言うと、
「なんかいったか?」
言ったよ。しかしここは「いいや」と言っておこう。こいつを図書室に連れて行ったら迷惑を通り越して、邪魔だ。

高校の図書室は中学には無いような分厚い本がズラっと並んでいた。
こんな見た感じだけで「ここはつまらん」と感じてしまう所はそうそうないだろうと思えるほどだ。
唖然としている俺を他所に小田はずっと探していた本がやっと見つかったような笑顔を見せ、分厚い本の中でも一回り分厚い本を近くの椅子腰掛けて読み始めた。

付いていけん。
と、こっそり図書室を抜け出そうと思った時だった。
「うっ…!」
いてて。腹いて。
腹部に強烈な痛みを感じた。
「と、トイレ!」
小田に聞こえる範囲内の声をまるで雑巾の最後の一滴を振り絞るように言い、俺は走り出した!
走っている途中で三谷と会った。
「おい…どうしたっそんなに焦ってっ…!」
いや、お前のほうが焦ってるよ。
「やばぃ…出る」
お前もか、その気持ちは痛いほど分かるよ。
俺の横に三谷が並び、はたから見れば「病気だ」と思うほどの蟹股走りで2人してトイレを目指した。
誰だって経験したことはあるだろう?このキツさをさっ。
やっと便器に座った俺と三谷は…頑張っていた。



そのときだった。


「うわ!?」
「地震?」
だいぶ強く揺れていた。
おいおい、まだ途中なんだよ。もうすこし静かに揺れてくれ。
そう思ったのもつかの間。その地震はたった数秒で終わった。
「なんだったんだ?」
知るか。しかし本当に一瞬の地震だった。

俺と三谷は驚きのせいか、腹の痛みなど忘れてトイレを出た。
俺達は図書室へ小田を迎えに行った。
「なんかすごい地震あったけど大丈夫だった?」
「ああ」
俺達はさっきの地震を不思議に思いつつ教室へ戻った。





教室には誰もいなかった。
「あれ?」
「予鈴2分前だぞ?」
「なんだなんだ?」
予鈴が鳴り響く。
誰も教室に戻ってこなかった。
「皆して早退か?それとも今日は4時限で終わりだったか?」
「違うよ、今日の5,6時限目に委員やら決めるって言ってたじゃない」
「そうだよな。じゃあなんでだ?」
「知らないよ……」
本鈴が鳴り響いた。
教師も来ない。なんだ?一体どうなってる。
と、そこへ
ガラッ!と扉が開かれた。
「うわっ」
三谷が恥かしいくらいでかい声で叫んだ。
そこに立っていた姿を見て、
「あーびっくりしたー」
と、小田が安堵の息を付いた
そこに立っていたのは中条幸奈だった。
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